
ウェルビーイングを高める
関わり合いができる
訪問には治療だけではない
様々な「正解」がある
安藤さんが訪問の世界に足を踏み入れたきっかけを教えてください
整形外来に勤務していたときはリハビリの時間が20分しかとれず、もう少し時間が取れたらもっと成果が出るのにと思うことが多くありました。
また外来でリハビリをしているときには、ずっと通院していた方が高齢になり通院できなくなりそのままフェードアウトしてしまうことも多く経験しました。
そんな方たちがご家庭でどんなふうに過ごしていらっしゃるかが気になったというのも、訪問の道へ進もうと考えた理由です。
病院と訪問はどんなところが違いますか
一言で言えば「ホームかアウェイか」です。
病院では私たち医療者がホームとしてアウェイの患者さんを迎え入れるわけですが、在宅では立場がまるっきり逆になります。
また病院では「ADL向上こそが正義」という価値基準になりがちですが、訪問には治療だけではない様々な「正解」があります。
訪問でサービス提供する上で必要な能力はありますか
ご利用者様が求めていることと私達専門家が医療的に正しいと思うことをすり合わせていく調整能力とコミュニケーション力ですね。
本人がなにをしたいかという意思の形成、表出、決定を支援をしたうえでインフォームドコンセントを徹底しなければ、良かれと思ってやったことがご利用者さまの意思を無視して勝手にやったことになってしまいかねません。
安藤さんは訪問セラピストとして、これからどんなことをしていきたいですか
在宅療養されている方たちには機能的な問題からでなく「他の人に迷惑かけてしまうから」という理由で外出を控えていらっしゃる方が多くいます。
その結果「あそこに行ってみたい」「あんなことをしてみたい」という本人の希望が一つずつ消えていってしまいます。その希望の選択肢を守ることこそがリハビリ専門職の使命だと思っています。
リハビリの仕事は選択肢を増やします。そしてあらゆる人が多くの選択肢から主体的に自分のやりたいことを選び続けられる、そんな社会を作ることが私の目標です。

